パンパを駆ける槍影 — ガウチョ猫騎士の誇り

パンパを駆ける槍影 — ガウチョ猫騎士の誇り

その猫は"エル・カーボ"と呼ばれ、パンパのどこまでも続く草原を駆ける伝説の騎士であった。かつてアルゼンチン中部の農村が盗賊団に脅かされた時、誰からともなく「カーボが戻ってくる」と囁かれた。 その姿は風のようだった。革の鎧に身を包み、紺のポンチョをなびかせ、長槍"ボンバチャ・デ・マテ"を片手に現れた猫の騎士は、夕焼けの中を音もなく進軍した。彼の槍は踊るように回転し、敵の囲いを一瞬で貫いたという。 帽子のブローチにはかつて亡き父から譲り受けた馬具の銀飾り。それはガウチョとしての誇りの象徴であり、彼の魂の一部であった。村を守ったその夜、彼は名乗ることなく去っていった。 いまもパンパの風が強く吹く日に、草を分けて現れる猫の影を見た者はこう言う──「エル・カーボは、大地が誇りを忘れぬ限り、いつでも我々を守ってくれる」と。 それは自由を愛した猫の、誇り高き英雄譚である。

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