赤土の守護者:ショテールを携えし猫騎士

赤土の守護者:ショテールを携えし猫騎士

その名は"ゲタチェウ・セラム"。エチオピアの高原で生まれ育ち、アクスムの血とラリベラの石に祈りを捧げた聖騎士。 彼が最初にショテールを握ったのは、王国を脅かす外敵がラリベラの聖域を踏みにじった年だった。アビシニアンの血を引く彼は、その俊敏な体躯と冷静な眼差しで、古の戦士にふさわしい資質を備えていた。 ソロモン王朝に連なる僧兵団に属した彼は、教義と戦術の両方を極め、ついに"十字の守人"の称号を受ける。その日から、彼はエチオピア十字の刻まれた鎧を身に纏い、神聖なるショテールを手にして戦場へ向かった。 ある日、敵軍がシミエン山地の峠を越え、ラリベラの教会群を制圧しようと迫った。ゲタチェウは単騎で先陣を切り、渓谷を渡って敵陣を撹乱。彼の剣技は風のようにしなやかで、盾の背後に隠れた敵すらも討ち倒す精密さだった。 太陽が空の中央に昇ったとき、ゲタチェウの赤と金のマントが岩の上でひるがえり、光を浴びたショテールが天に閃いた。彼の雄姿は仲間の戦意を鼓舞し、敵軍はついに退いた。 今も、ラリベラの教会には"赤土の守護者"の名を刻んだ石碑が立ち、毎年その命日に子どもたちは白いシャマをまとい、剣の舞を捧げるという。

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