しっぽぴん!アビィと夕焼けのさんぽ道
夏の終わりの夕暮れ時、海辺の古い木のデッキにはオレンジと青が交じり合う空が広がっていました。
そこに、ひとりの猫がすたすたと現れます。名前はアビィ。しなやかな身体ときらきらした琥珀色の目、そしてピンと立ったしっぽが自慢のアビシニアンの女の子です。
今日は特別な日。大好きな人が久しぶりに海の町に帰ってくるのです。
貝殻で作ったネックレスと、小さな麦わら帽子でおしゃれをして、アビィはうきうきと波の音を聞きながらデッキを歩きます。
けれど、夕日が海に沈みかけても、まだその人の姿は見えません。
アビィはちょっぴり切ない気持ちになりながらも、しっぽを高くあげて歩き続けました。
すると、潮風の向こうから聞きなれた声。「アビィ!」
ぱっと顔をあげたアビィは、駆け寄りながらうれしそうに鳴きました。
夕日のなか、二つの影がぴたりと寄り添い、やさしい夏の風がそれを包み込んでいきました。
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