ルルとまほうの花模様
ある古い街の端に、忘れられた書庫がありました。そこに暮らすのは、まるい耳のスコティッシュフォールドのルル。彼女は本棚の上がお気に入りの場所で、毎日静かに過ごしていました。
ある日、ルルは壁に浮かび上がった不思議な花模様に気づきます。花はまるで息をしているかのようにゆらゆらと揺れ、ルルを誘っているようでした。
その模様を前足でそっとなぞると、壁がかすかに光り、小さな扉が現れたのです。ルルは躊躇なくその扉の中へ。
そこは、花々が生きてささやく、魔法の庭でした。空は墨で描いたように優しく、すべてが静かなハーモニーに包まれていました。
ルルはその日から、ふたつの世界を行き来することになります。昼は書庫で読書、夜は魔法の庭で花と話す──どちらの世界も、ルルにとって大切な居場所になったのです。
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