光と栄誉の刃 — イベリアの猫騎士伝

光と栄誉の刃 — イベリアの猫騎士伝

その猫の名はドン・フェリックス・デ・モンテニャ。 イベリアの高地、アンダルシアの白壁の村で生まれ育ったフェリックスは、幼き日より父の剣術を学び、正義と名誉を心に刻んだ。彼の祖先は、かつてレコンキスタに参じた伝説の戦士たちであり、フェリックスはその血を色濃く受け継いでいた。 若き日、フェリックスは宮廷騎士としてスペイン王家に仕え、幾多の戦でその剣技を披露する。手にするエスパーダ・ロペラは、祖父が残した細身の剣であり、かつて栄光と涙を共にした家宝でもあった。彼の鎧には、ハプスブルクの双頭鷲と王家の紋章が彫金され、胸には祖国への忠誠が込められていた。 ある日、南海から現れた海賊団が、地中海沿岸を襲うという報が届いた。フェリックスは即座に赤いリオハ・ペドロハを纏い、騎士団を率いて村々を守るため出陣する。 壮絶な戦の末、フェリックスは敵将との一騎討ちに臨む。陽光を背に受けた彼の剣は真っ直ぐに風を裂き、正義の一閃が勝敗を決したという。村人たちは涙ながらに彼を讃え、その名はやがて「イベリアの赤き盾」として語り継がれることとなる。 今もシエラネバダを越える風が赤いマントを揺らす時、人々はそっと祈るのだ——ドン・フェリックスがどこかで正義の剣を振るっているのだと。

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