森と湖に誓う光、フィンランド猫騎士の夕暮れ

かつて、フィンランド湖水地方の森に「ヴァルコ」と呼ばれる猫騎士がいた。 彼はフィンランド・フォレストキャットの中でも特別な存在とされ、純白と深緑の被毛に包まれ、静かに森を見守る存在だった。幼き日、流氷の下から人間の赤子を助けたことで「森と人を繋ぐ者」としてサーミの長老からボブトルカ・ケープを授かった。 ある年、タ・ロヴァ山の封印が緩み、封印獣「イェルカ・ヴァッラ」が目覚めようとしていた。周囲の森が枯れ、湖は氷と毒で覆われていく——村人たちは恐れ、神殿も手をこまねいていた。 そのとき立ち上がったのが、ヴァルコだった。 「この湖を愛し、森に育てられし者として、黙って見過ごすわけにはいかない。」 彼はサッシュベルトに波紋のメダリオンを結び、サウミの聖地であるミッドサークルの泉で祈りを捧げた。 ミントグリーンの瞳に映るのは恐れではなく、静かな決意。 その剣「カイヌック」は、いかなる氷も貫き、森に生きる精霊たちの加護を受けた。 彼は一人、オーロラの下で封印獣へと立ち向かった——そして静かな夜明け、湖は再び透明な輝きを取り戻したという。