雪原のタイムトラベラー・ティモ

雪がしんしんと降り積もる静かな森の中、一匹の小さなトラ猫が赤いマフラーを首に巻き、じっと何かを見つめていた。名前はティモ。ごく普通の仔猫だと思われていたが、彼には“ある使命”があった。 森の奥で見つけた古びた時計塔——それは、伝説の“時の裂け目”が隠されている場所だった。好奇心に駆られたティモは雪を踏みしめ、塔の扉を押し開ける。その瞬間、まばゆい光とともに、彼の周囲の世界が変わり始めた。 気がつくとティモは、100年前の同じ森にいた。そこにはかつて栄えた猫たちの王国“ミオリス”が存在していたのだ。だが王国はまさに氷の呪いにより滅亡の危機に瀕していた。 ティモは未来から来た“赤きマフラーの旅猫”として、王国に希望をもたらす伝説の存在とされる。勇気と知恵を武器に、ティモは氷の呪いを解くための冒険に乗り出す。 雪の結晶が舞う中で、小さな体に大きな使命を背負ったティモの旅が、今始まる——。