雪原に現れた導きの肉球
その日、世界は静かだった。雪が降り積もる原野の中心に、茶トラの仔猫ルカはひとり佇んでいた。冷たい風が吹くなか、彼の赤いマフラーだけが鮮やかに揺れている。
ふと、彼は小さな前足を高く掲げた。その肉球が、まるで空に合図を送るかのようにゆっくりと開かれた瞬間——空間に亀裂が走った。
まるで世界そのものが応えたように、ルカの前に光の門が現れる。そこは「古代ネコ文明・ミャオニカ」への入り口だった。数千年前、猫たちは高度な文明を持ち、空間を旅する術を知っていたが、その技術は失われたはずだった。
ゲートをくぐったルカは、時空を超え、異世界ミャオニカの中心“グランド・キャットラム”に降り立つ。そこでは巨大な猫の像が時を告げ、空飛ぶ猫舟が行き交っていた。
だが、世界は滅びの予兆に包まれていた。伝説によれば、“選ばれし肉球”だけが時空の崩壊を止められるという。そしてその証が、空に掲げられた“逆向きの右前足”。
すべての条件に当てはまるルカは、運命の渦に飛び込む決意をする。無邪気な仔猫だった彼は、今や世界の命運を握る冒険者となる——。
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