灯りの街と記憶の羅針盤

灯りの街と記憶の羅針盤

秋の森の冒険から帰ってきたティモは、ある日ポストに挟まれていた“黒猫の切手”に心を奪われた。 その切手には、見覚えのない街並みと「灯りの街で会おう」という文字。そして裏には、祖父ニモのサイン。 翌朝、ティモは黄色のセーターを着こみ、旅の荷物をひとまとめにして出発。 雨上がりの石畳の路地で立ち止まり、ひと呼吸置いたあと、小さく手を挙げた。「行くぞ」と言わんばかりに。 街はまるで迷宮のようで、カフェの看板猫が地図を読み解き、ピアノの音に導かれるように路地裏へ進む。 ティモが出会ったのは、時間が止まった時計台と、記憶を読み取る“羅針盤屋”だった。 店主のシャム猫は、「祖父ニモは最後に“光の座標”を探していた」と話す。 その座標が示すのは、失われた“猫の航海記録”。 ティモはその地図を手に入れるため、街の地下にある「影の回廊」へと挑むことになる。 そして、この灯りの街が、かつて祖父と母が出会った特別な場所だったことを知るのは、もう少し先の話。

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