春の庭でネズミを追う猫たち
春の午後、ぽかぽかと陽が差す和風庭園には、満開の桜が舞い散っていました。そんななか、スコティッシュフォールドの姉妹猫ミミとココは、柔らかな苔と石畳の上で、小さなネズミのおもちゃを見つけます。
「ココ、見て見て!ネズミさんだよ!」とピンクのリボンをつけたミミが前足でそっとおもちゃを転がします。それに気づいた水色の首輪のココが、すかさず追いかけてきて、「まって〜それはわたしが捕まえるの!」と元気いっぱいに飛びかかりました。
二匹はおもちゃを真ん中に、ぴょんぴょんと跳ねたり、くるくる回ったり、風に舞う花びらと同じくらい楽しげに遊び続けます。その様子を近くの東屋から見ていたおじいさんは、にこにこと目を細めていました。
やがて陽が傾き始め、庭園が少しずつ夕色に染まりだすと、姉妹は満足そうにおもちゃを挟んで並んで座りました。「また明日も一緒に遊ぼうね。」そう約束しながら、二匹はゆっくりとおじいさんのひざへと戻っていきました。
その春の日、庭園の中で輝いていたのは桜の花だけではなく、遊ぶ姉妹猫たちの笑顔でした。
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