ミロとあたたかなひかりの部屋

ミロは、町はずれのあたたかな日だまりの部屋で暮らす、しっぽの短いアメリカンボブテイルの猫です。毎朝、窓から差し込む光の中で、ミロは背伸びをしてはごろごろと喉を鳴らします。 ある日、いつもとは違う音が床下から聞こえてきました。「こつん、こつん」──ミロはぴんと耳を立て、その音を追って本棚のうしろにある、小さな穴を見つけました。 そこには、ネズミのチッチが住んでいました。チッチは困っていました。家族の住む小さな地下室が雨で濡れてしまい、乾いた場所を探していたのです。 ミロは考えました。「この部屋は広いし、日がよく入るから、少しだけなら使っていいよ」そう言って、本棚の下にやわらかい毛布を運びました。 それからというもの、ミロとチッチは日だまりの中で一緒に昼寝をしたり、お互いの話を聞いたりする仲良しになりました。ミロの世界は静かだけど、やさしい音に満ちるようになったのです。