こねことくまちゃん
ある初夏の朝、やわらかな光が窓から差し込む静かな部屋で、メインクーンの子猫・ラルフは、たいせつなくまちゃんをぎゅっと抱きしめていました。
ラルフにとって、くまちゃんはいつも一緒のともだち。眠るときも、ごはんのあとも、ひとりでおるすばんするときも、そばにいてくれました。
その日、外では小鳥たちがさえずり、風がやさしく葉をゆらしていました。でも、ラルフはなんだか胸がそわそわ。くまちゃんを見つめてこう言いました。「きょうは、ぼく、ちょっとだけ大冒険にでてみるよ。」
ベンチから降りたラルフは、くまちゃんをそっと自分のベッドにのせ、「すぐもどってくるからね」と言って、庭の扉をちょっぴり開けました。
でも、外に出ると、ラルフはちょっとこわくなってしまいました。知らない音、知らないにおい。すぐにくるりとふりかえって、走って帰ってきました。
そしてまた、くまちゃんをぎゅっと抱きしめました。「やっぱり、もうちょっと大きくなってからにするよ。」
ラルフは、くまちゃんと一緒にベンチにすわり、のんびりと木漏れ日をあびながら、おひさまのにおいのするお昼寝を楽しむのでした。
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