ぼうしをかぶったこんにちは
ミロは、森の小道に面した切り株の上が大のお気に入り。
この日も赤いリボンを首に巻いて、茶色のベレー帽をちょこんとかぶり、そこで日向ぼっこをしていました。
ふと、遠くからやってきた旅人の姿が見えると、ミロはそっと右前足を上げて、ふわりとおててを振りました。
「こんにちは。気をつけて行ってらっしゃい。」
声には出さなくても、その瞳はしっかりとそう語っていました。
旅人は驚いたように立ち止まり、そしてにっこり笑って帽子をとると、お礼のように深くお辞儀をして通り過ぎていきました。
森に風が吹き、夕暮れの金色が木々を照らし出すころ、ミロは静かに目を閉じて、また誰かに手を振る夢を見始めました。
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