トワイライト・ガーディアン — モコを纏う猫戦士
その猫は"アラフア"と呼ばれていた。マオリ族の長老たちの間で語り継がれる、星と山と祖霊をつなぐ猫の守り人。
彼は、まだ若くして部族の預言者に選ばれた特別な存在だった。顔に刻まれたモコは、代々の知恵と魂の証。テアヘを携え、フィヨルドランドの深い霧の中、何度も争いの火種を静かに収めてきた。誰よりも自然を敬い、誰よりも静けさを大切にした。
ある年、隣部族との対立が頂点に達したとき、アラフアは言葉ではなく"姿"で訴えた。戦の場に、一切武器を振るわずコロワイを羽織り、祖霊に導かれるかのような威厳をもって立ったのだ。
敵将の目に映ったのは、ただの戦士ではなかった。それは、大地の記憶をまとった存在。結果、流血は免れ、部族同士は新たな協定を結ぶことになる。
その日から"トワイライト・ガーディアン"の伝説が生まれた。今もタスマン海に夕陽が沈むとき、マウント・クックを背に静かに佇むアラフアの影が、森の中に浮かび上がるという。
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