小首をかしげる朝の猫たち
春の朝、やわらかな光が差し込む縁側に、アメリカンショートヘアのミアとその姉妹たちが座っていました。庭先から聴こえてきたのは、風に揺れる笹の葉の音ではなく、「カラン…コロン…」という、不思議な響きでした。
ミアは小首をかしげながら、じっと音のする方を見つめます。銀色の毛に日の光がやさしく映え、胸元の鈴が静かに揺れました。姉妹たちも同じように背筋を伸ばし、静かに耳をすませています。
やがて、庭の竹の間から、小さな風車が転がって出てきました。昨日、縁側の下に落ちてしまったミアのお気に入り。風に吹かれてくるくると回りながら戻ってきたのです。
ミアはにっこりと笑って立ち上がり、風車のもとへ歩み寄ると、ふわりとそれを押さえました。そして振り返って、姉妹たちに「ね、すごいでしょ」と言わんばかりの表情。
それは、静かな春の朝に起きた、ちいさな奇跡のような出来事でした。
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