星明かりの舞台で
深夜の劇場には誰の足音もなく、漆黒のベルベットカーテンがそっと揺れていました。その舞台の中央に、一匹の小さなスフィンクスの仔猫がちょこんと座っていました。
名前はルミナ。無毛の肌は月のように柔らかく光り、レモンイエローの瞳は星明かりを映して輝いていました。ルミナは、お気に入りの銀のペンダントを揺らしながら、前足で顔をそっと撫でています。まるで、夢から覚める前の小さな挨拶のように。
劇場の舞台に上がるのは初めて。でも怖くはありませんでした。むしろ、この静かな空間は、彼女にとって安心できる場所でした。見上げれば、舞台の天井の隙間からいくつかの星がのぞいており、それがまるで観客のようにルミナを見守ってくれている気がしたのです。
やがて、ルミナは立ち上がり、カーテンの奥へと一歩ずつ歩き出しました。そこにはきっと、次の冒険が待っている。小さな体に大きな夢を宿して、彼女は夜の舞台を優雅にあとにしました。
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