駄菓子屋と昼寝する看板猫

商店街のはずれにある小さな駄菓子屋「しんちゃん堂」は、今日も子どもたちの笑い声に包まれていた。 目玉は店頭のレトロなメダルゲーム機。コインがカラカラと転がる音と、子どもたちの「もう1回！」「やった！」という声が交錯する。 そんなにぎやかな中で、ひときわ落ち着いた存在感を放つのが、看板猫「チャトラ」。雑種の三毛猫で、ゲーム機の上が彼女の定位置。 誰かがゲームに夢中になっている間も、チャトラはその柔らかな体を丸め、穏やかに昼寝している。時折、片目をうっすら開けて子どもたちを見守るような素振りを見せ、また目を閉じる。 店主のおばあちゃんは言う。「チャトラが寝てると、みんな優しくなるんだよ。不思議だねぇ」 子どもたちは駄菓子を選びながら、チャトラの寝息に耳をすませる。この場所には、時間がゆっくり流れているようだった。 誰もが笑顔で過ごせる、そんな優しい午後のひととき。