しあわせ図書館のラグドールくん

しあわせ図書館のラグドールくん

その図書館は、町で一番古く、そして一番静かな場所でした。 朝のやわらかな日差しが、木の窓枠をすり抜けて中に差し込み、本の背表紙を金色に照らしていました。 そこにいるのは、小さなラグドールの男の子、名前はルーク。 青く澄んだ瞳とふわふわの毛並み、そしてお気に入りの丸眼鏡と蝶ネクタイがトレードマーク。 この日もルークは、本棚の隅でお気に入りの光のスポットに寝転び、ごろんとお腹を見せながら、空中のホコリを追いかけて前足をふわふわと動かしていました。 けれど彼の頭の中では、ページをめくるたびに現れる空想の世界が広がっています。 飛び跳ねるドラゴン、空を歩く城、そしていつか冒険に出る日を夢見て——。 「でも今は、ここが一番すき。」ルークは目を細めて、春の光に身を任せました。 本の世界も素敵だけど、この瞬間こそ、まるで魔法のよう。 そしてその日もまた、ルークの心はページの中と外を旅しながら、幸せに包まれていくのでした。

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