図書館のティーカップとセルカークレックスの朝

巻き毛がふわふわのセルカークレックス老猫、ローズは毎朝図書館で一番乗り。本棚の上が彼女の特等席だが、この日はちょっと違う。なぜなら、麦わら帽子をかぶったローズが、なぜか大きなティーカップの中にすっぽり収まっているのだ！その隣では親友のクレアが呆れ顔で見守っている。実はこのティーカップ、図書館の"魔法の読書椅子"と呼ばれており、入った猫は夢の中で好きな物語の世界を旅できると言われていた。ローズがウトウトし始めると、彼女のヒゲが小さく震え、ティーカップはほんのりと淡い光を帯び始める。やがて彼女は帽子をかぶったまま、空飛ぶ本に乗って物語の国を駆け巡る冒険へ出発！図書館の窓から朝の光が差し込む中、現実のローズは満ち足りた安心顔。いつしかクレアも隣で寄り添い、ふたりだけの読書タイムは奇想天外な夢物語でいっぱいになっていった。