朝焼けと蝶と、ブルーグレーの奇跡

浜辺に広がる野花の絨毯。 朝霧がうっすら漂う中、空はパステルのサンライズに染まり始める。 そんな静寂のなか、一匹のブリティッシュショートヘアのメス猫がちょこんと座っていた。 その厚くてベルベットのようなブルーグレーの被毛は、朝の光に照らされてふんわりと輝く。 小ぶりな麦わら帽をちょこんと頭に、首元には赤と白のギンガムチェックのバンダナ。 そんな愛らしい装いの彼女は、ふわりと舞い降りた蝶に惹かれて、小さく前足を伸ばす。 その仕草には力強さよりも、純粋な驚きと優しさが宿っていた。 「なんて美しいの…」 きっと彼女はそう思っている。 蝶もそれを感じたのか、ふわりとまた舞い上がり、朝焼けの空へ溶けていった。 猫はしばらくその余韻に包まれながら、また新しい朝の音を聞きに歩き出す。 今日という一日が、彼女にとってまたひとつの小さな冒険となるだろう。