テラスで影を追うエジプシャンマウ

夏の午後、真上から差し込む日差しがモロッコ風テラスの砂色タイルに幾何学模様の影を映し出します。銀色の被毛に黒いスポットが映えるエジプシャンマウのミロは、その光と影の踊りをじっと見つめていました。 ミロは好奇心に駆られ、赤い紐が揺れる革の首輪を揺らしながら前足をそっと伸ばします。窓格子越しの光がキラリと輝き、ゴールドのメダルが鈍く光りました。 影を追って螺旋を描くようにステップを踏むミロの瞳には狩猟本能が宿り、一瞬、鋭い爪がタイルに触れそうになります。しかし、影はすぐに別の形に変わり、ミロはその不思議さに目を見開きました。 ひとしきり遊び疲れたミロは、影の動きを見つめながらそっと息をつきます。夏の午後の静けさと光に包まれ、満足げな表情で新たなひとときを夢見てまどろみ始めるのでした。