ハヤネコ騎士団と空の誓い

風の谷に伝わる古の伝説。それは、“空と地の力を併せ持つ者”が現れたとき、王国に真の平和が訪れるというもの。 その伝説に名を刻んだのが、猫と隼が融合した存在——“ハヤネコ”だった。名はルオ。キジトラ模様の柔らかい毛並みに、猛禽類の鋭い目、そして力強い翼と鋭いクチバシを持つ彼は、誰よりも聡明で、誰よりも優しかった。 空の王国・エアリアでは、風の流れが乱れ、空を飛ぶ者たちが次々と力を失っていた。空の守護者たちも原因を掴めず、民は不安に包まれていた。 そんなとき、ルオは風の音を聴き、空のひずみに気づいた。「風が泣いてる——これは、自然のバランスが崩れている証だ」 ルオは仲間たちと“ハヤネコ騎士団”を結成。コウモリの斥候、フクロウの賢者、リスの技術士たちと力を合わせ、空に開いた見えない穴“ウィンドクラック”を修復する旅に出た。 その道のりは険しかったが、ルオは決して諦めなかった。空を滑るように飛び、仲間の命を守りながら、ついに風の源へたどり着く。 そして彼が優しく羽ばたいたとき、空は静かに整い、再び澄んだ風が王国を包んだ。 「空は、ただ飛ぶためにあるんじゃない。つながるためにあるんだ。」そう語るルオに、王国中から感謝の声が響いた。