星降る庭の精霊猫、幸せの魔法を紡ぐ夜
遠い遠い夜空の向こうに、“ティアナの庭園”と呼ばれる秘密の場所がある。
そこには誰もが幸せになる魔法を紡ぐ、羽のある不思議な猫が住んでいた。その猫の名前は、誰も知らない。ただ“精霊猫”と呼ばれ、花びら模様の毛並みに包まれた体と、透き通るような翅を持ち、どこからともなく現れては、困っているものにそっと魔法をかけていく。
ある晩、庭園の花々が突然しおれ始めた。星明かりも弱くなり、笑い声も聞こえなくなっていく。
そのとき精霊猫は空を舞い、青と紫の星屑を集めて魔法を紡ぎはじめた。螺旋のように渦巻く魔力は、まるで星雲のように光を放ち、しおれた花に命を与えていく。
花は再び色づき、庭園には希望の光が戻った。
その様子を見ていた妖精の子どもたちは、口々に「ありがとう、精霊猫!」と叫び、星空に向かって手を振った。
だがその姿はもうそこにはいない。ただ、淡く光る足跡だけが、夜露の草の上にそっと残されていたのだった。
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