雷鳴を駆ける者
雨の降りしきるネオンシティ。
その街を、稲妻とともに駆ける猫がいた。名は『ボルト』。
ロシアンブルー特有の鋭い瞳に反射するのは、地面に映ったピンクとブルーのネオン。そして空を裂く稲妻の閃光。
ボルトはヘッドフォンから流れるビートに合わせて、街を自由に走る。まるで雷のリズムとリンクするかのように。
一歩ごとにスプラッシュする水しぶき、一瞬ごとにきらめくLEDの海。そのすべてを『遊び場』にしてしまうボルトは、都市の騒音すら音楽に変える。
驚いたような表情──それは雷鳴に驚いたわけじゃない。
『ああ、今が生きてるって感じる瞬間だ』──
そんな気づきが、彼の顔に現れてしまっただけだった。
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