夕暮れの森とふたりの紳士猫

ある雨上がりの朝、森の奥へと続く小道に、ふたりの猫が現れた。ひとりは青い目が印象的な黒猫、短い尻尾をふりふりしながら得意気に伸びをしている。彼の頭には小さなハットがちょこんと乗っていて、何か新しい冒険を期待している様子。もうひとりはニット帽をかぶった茶トラ猫。少し控えめな性格だが、じっと前を見つめるその瞳にはワクワクとした光が宿っている。 「さて、今日はどんな面白いことが起きるかな？」と黒猫が言うと、茶トラ猫は静かにうなずいた。ふたりは森の奥へと歩き出す。突然、道の先から不思議な光が現れ、あたりの木々がふわっと虹色に染まった！実はこの森には、"夕暮れにだけ開く異世界ゲート"があるという伝説がある。彼らが一歩踏み出すごとに、帽子からキラリと星屑が舞い落ち、道端のキノコたちが拍手をし始める——。 そんなふたりの小さな大冒険は、まだ誰も知らない。けれど、森の動物たちは彼らの物語が新しい伝説になることを、すでに感じ取っていたのだった。